じっと手を見る

毎日に気づきと発見を 日記っぽいエッセイ

音楽について

 音を吸って生きているのかも知れない。

 そう思うことがある。音は空気の振動、僕たちは空気を吸って生きる。結果的には振動も吸い込み生きている。んじゃないかと思う。まあどちらにしても、僕には音楽をカロリーに変換する臓器がどこかしらにあるようだ。そう言えば振動してない空気なんてあるのだろうか?見たことがないのではっきりとは言えないがたぶん、ない。ないで欲しいなあ。

 歌う時は特に感じる。伴奏で流れている音楽の世界の中に溶け込みたい。そう思って歌い出しは音楽を吸うようにしている。体の中の空気に含まれる音楽の濃度と質感を揃えるイメージ。そうして上手く行けば僕の体や意識と音楽とを隔てるものは溶けてゆく。気分はそう、

「僕こそミュージック!」

だ。

 ここ最近、気分や体調によって口から歌が勝手になり始めることがあるのだが、そういう時僕はいっそう音を吸って生きてるのだと感じてしまう。僕の中じゃなく空気の中にその歌があって、僕は吸った空気の中から音楽だけを外に出す。まるでオキアミを食べるクジラみたいに。

 地球の空気が循環しているように、音楽も世界を循環しているのかもしれない。そう思うと、いつもより耳をすませてみたくならない?