舞台「盗みは夜半の月のように」終了報告
どうも矢野渡来偉です。
以前から、ブログでも書いていました舞台が先日は終演いたしました。たくさんの方に観ていただけて大変嬉しく思います。
本当にありがとうございました。
今回はダブルキャストが多く、A班とB班でそれぞれ色合いの違う作品になっていました。お客様の中には両班とも観て下さった方もいらして、2度美味しいと言って頂けたので僕は大満足です。まあ、僕はシングルキャストだったので全公演出てたんですけどね笑
そう、バンドウ役の僕とオチ役の彼、楠木健吾君はシングルキャスト。全6公演。しかも、1日目1ステージ、2日目2ステージ、3日目3ステージと言う、後ろに行くにつれて燃え尽きそうになるスケジュール笑。
しかも僕たち以外はダブル、だからそれぞれの班で微妙に立ち位置や芝居が違うと来た!集中力を総動員して三日間を駆け抜けました。二人とも終わった後は疲労困ぱいでしたが、毎回終わった後に、少しずつ変わって行く芝居に二人ともニヤニヤしながら苦労を語り合いました。楽しかったなって。
僕の所属する劇団白の鸚鵡は半分は学生の劇団です。もっとも僕だって大学を卒業したばかりですから、社会人だなんておこがましいですが…。僕は今回そんな学生のみんなのオヤジ役でした。A班B班合わせて6人の子供達。実際年は1歳か2歳位の差でしかありませんが、舞台上では約20歳位の差を作らなければなりませんでした。
かなり焦りました。だって僕まだ22歳ですよ。40代なんてそんな…。でもやるしかないじゃないですか。僕もこんなに歳をとる役作りは初の試み。正直どこまで出来たのか、自分では分かりません、今でも分からない。
でも、そんな僕にでも6人の子供達はまっすぐぶつかって来てくれた。そして少しずつ少しずつ言葉のいらない親と子の関係が見えて来て、この子達を守りたいって思えるようになりました。実際その時の感覚が親としての感覚なのかは、僕が本当に誰かの父親にならなければ分からないんだろうけど、少なくとも先輩と後輩の感じじゃない、何か親子に近い感じを体感出来たんじゃないかと思います。子供達ありがとう、みんなのおかげです。
みんなのオヤジでよかった。
もちろん大人のみんなにもお世話になりました。大人ったって同い年。みんな環境の変化に戸惑っていたり、苦しんでいたりしていたように思います。少なくとも僕はまさにそうでした。
自分の底が知れた。そんな公演になったように思います。改めて、まだまだやなと。体力の面でも、集中力の面でも。正直後輩の達の前ではいいかっこしたいじゃないですか、かっこつけて素直になれなかった部分もありました。疲れのせいにした事もあったし、正直キツかった。でもこの公演を通して思った。
「やっぱり俺大した事ないや」
でもね不思議なことに安心しました。そうかまだまだハングリーでいいんだ!どんどん自分のエネルギー出していいんだ!って。だってどんなにしんどくても、下手くそだったとしてもお芝居むちゃくちゃ楽しかったんです!
社会人になって一番嬉しい発見でした!お芝居ってこんなに楽しいものだったんだって。今までは学校でやっているからお芝居をすることは当たり前のことだった。でも今は違う。お芝居をする前に、自分の力で自分の生活や健康や責任を成り立たせなきゃならない。環境が変わる。苦しいです正直。負けたくない。
でも、お芝居は楽しい。前と変わらずそこにあって、前よりもっと楽しい。僕はこの仕事をやめられそうにありません。やっぱり。
これからどんなことが起きるのか楽しみになりました。まだまだ先は長い。旅は長い方がずっと楽しいんだ。
長々と書いてしまいましたが、改めまして劇団白の鸚鵡第四回公演「盗みは夜半の月のように」終演しました。お越し下さった皆様、支えてくださった皆様本当にありがとうございました。
まだまだ未熟者ですが、今後ともよろしくお願致します。
さあ、新しいお月様はどんなに顔で僕を見下ろすのか、僕はどんな顔で見上げるのか?