じっと手を見る

毎日に気づきと発見を 日記っぽいエッセイ

夏バテとお仕置きについて

f:id:bandsgr51try:20170728235747j:image

 

 プールの更衣室から出ると正面に窓がある。その向こうに見下ろす小さな公園に真夏の太陽が差している。あまりにかんかん照りでぼくは驚いてしまう。

 

 時刻は12時30分。当たり前と言えば当たり前なのだけど、プールで疲れた体とこの太陽の明るさはあまりに不釣り合いな気がした。

 

 疲れが増した気になる。

 

 ぼくは最近夏バテ気味である。夏生まれなのになんとも情けない。今日は夏バテ気味の体に鞭を打つべくプールで泳いだ。

 

 正直なところ僕はあまり泳ぐのは得意でない、と思う。

 

 別に水泳を習っていたわけでわないし、学校の授業で泳いでいたくらい。比べようがないから実力はよく分からないけど、溺れはしないけど足がつかないと不安ってレベル。長い距離は泳げない。

 

 季節は夏、そして今僕に訪れている空前のトレーニングブーム。夏バテを無理やりねじ伏せるべくプールへ来たのだ。

 

 しかしこれは今日の計画の一部にすぎない、まだ序の口、コース料理で言えば前菜。

 

 プールはトレーニングでしかない、大事なのはその後の補給。今日は最高の補給をするのだ。

 

 そう、肉である。

 

 ステーキをたらふく食べる!もうこのテンションだけで夏バテに打ち勝ったも同然だ。

 

 日差しに打たれ疲れた体を引きずるように歩く、この時僕の両目に移るステーキ屋はさながら砂漠のオアシス。

 

 珍しく並んでいない!お目当の肉はすんなりと僕の前に現れた!450gの肉の塊!かつて牛だったとは思えないほど美味そうである。

 

 ステーキ!なんと素敵な響き!

 

 最初の一口を頬張る。肉の弾力、厚み。磨り減った体力を補填していく肉汁。この上なく美味い。

 

 こうして僕はメインディッシュを一瞬で食べきり、この日のクライマックスはあっけなく終了した。また写真を撮るのを忘れた。だが肉を目の前にするとそれどころではない。

 

 今度は肉で重たくなった体を引きずり店を出る。

 

 そして僕の夏バテは治った。いや、治ったと言わなければ牛さんに申し訳がないではないか!

 

 この夏はもっと肉を食いたい、そう思った。