じっと手を見る

毎日に気づきと発見を 日記っぽいエッセイ

年末年始の皮算用

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 さて、今日で一年の仕事を終えた。明日の大晦日そして新年明けて来年の元日は休みである。なんとなく特別な二連休の気もして、なんのけない普通の二連休の気もする。さして予定もない上に特別にやりたいことがあるわけでもないので、取らぬ狸の皮算用に妄想を膨らませるのも一興だろう。

 

 まず、好きなことをやろうかと思う。読書か運動か、運動まではいかないものの長い散歩ってのもいいな。

 

 読書なら、買い溜めてある本を手当たり次第に読んでいこう。面白そうと思った本はついつい手が出てしまう、古本屋だからいいかなと言う考えに付け込こみ自分を甘やかす内に、気づくと五冊六冊は一度に買ってしまう。ただ、値段よりもはるかに高価なものを頭に入れることが出来るので、それはそれでいいかなと思っているけれど、そもそも読まないのではお話にならない。幸いどの本もきっと面白いものばかりだから、この年末年始の二日を使い大量に消費するのもいいんじゃあないでしょうか。

 

 いや待て、そんなにじっとしていられる性分じゃあ無いし、ちょっとお腹の肉が気になってもいる。今年のエネルギーを使い果たす勢いで、また新しい年を勢い付ける意味も込めて運動しまくるのもいいかもしれない。寒いのは嫌いじゃないし、どうせ動いていたら暑くなる。水分補給とご飯にだけ気をつければ、体調を崩すほど体力がない訳でもない。そう言えば、走って見たいコースがない事もない、少し遠出になるが交通費や食費ぐらいはなんとかなるだろう。いいかもしれない。

 

 ううん。でもどちらもいつでも出来るのではないかと思ってしまった。別にそれでもいいんだけど、なんというか、人情としてはなんとなく勿体無い気がする。なんせ一年の結び、そして始まり。もうちょっと趣向を凝らしてもバチは当たるまい。

 

 散歩、散歩。散歩となると近所の神社を回って見るのはどうだろうか。初詣も兼ねて小さな冒険の旅もいい。徒歩範囲で行けるところをピックアップしておいて、寒空の下を背を丸めながらとぼとぼ行くのも年末年始なら悪くない絵になるかもしれない。なんせ正月だ、神社なんか人でごった返しているやもしれない、そう「人の集まるところに熱狂が渦巻く!」趣味は野次馬と自負する身としては、そう言ったところを見て回るのもいいだろう。趣味の欄に野次馬と書くくらいなのだから、それぐらいの野次馬根性がなくては!

 

 はて、ならばいっそのこともっと大きな祭りを野次馬してはどうだろう。もっと人の集まりそうなところとなると都会に出なければいけないか…。新年のカウントダウンイベントとかに乗り込んで行って熱狂の当事者になるか?羽目を外すのは考えものだが、外している人々を見るのは楽しいと思える。なんせ一年の最後にして次の年の最初のお祭り、今宵ばかりはと湧き出てくる人の熱狂を観に行くのはさぞ楽しかろう。面白そうだ。

 

 ただ…ただである、僕が一年のうちで一番好きなのは正月だ、正月が楽しみで僕はこの三ヶ月を頑張ったと言っては言い過ぎかもしれないが、それくらいに正月が好きだ。なんならそこがグラフの頂点で、そっからテンションは徐々に右肩下がりなのが我が一年。正月好きとしては、熱狂の中で年をエイヤッと越すよりも、「ああ、越すなぁ。ああ…明けましておめでとうございます。」と越したい気持ちもある。

 

 悩む。しかし、まあ皮算用である。いくらでも思い浮かんでくれて一向に構わない。だからこその皮算用だ。どうせただの休日になるだろう、という思いと、いやしかし…、という思いを巡らせながら、いつもの素敵な休日がやってくるだろう。一通り考えて膨らますだけ膨らませておけば、なるようになるしどうなったところで納得するだろう、それでいい。どうせ一年の終わりである、今年一年に思いっきりピリオドを打つ他、来年に漕ぎ出すことはできない。

 

 ある意味では納得、ある意味では後悔に当たる大晦日。そして大いなる希望と、根拠のない清々しさを抱く元日の朝。どちらにしても楽しみでたまらない。