じっと手を見る

毎日に気づきと発見を 日記っぽいエッセイ

春の日について

 芝生の上に寝っ転がって、空を見上げる。今日もいい天気だ。真っ青で吸い込まれそうな空はちょっと怖いくらい。背中に刺さる芝と、土の匂いが心地いい。

 今年ほど、ゴールデンウィーク感じた年は今までなかった。大学を卒業してから休日が本当に楽しくなっている。天気がいいと倍楽しい。今年はずっとお天気が良かったので、ゴールデンウィークの間外に出たくてたまらなかった。今日やっと外に出れた。酸素の多さにむせそうになりながら僕の体は自然と深呼吸した。

 青空と同じ透き通った色の風が春の匂いを届けてくれる。太陽の照らされた木の葉は風に吹かれて色々に光を反射させ、一つの木の中にいろんな緑を作る。春独特の緑と空と風のコントラスト。毎年こんなに美しい色合いを作れるなんてやっぱり自然は偉大だ。

 真上の空は雲ひとつない晴天。雲たちは視界の端に追いやられぽっかりと大きな穴を空に開けている。あの雲たちがむくむくと膨らんで空を覆い、大雨と雷を振らせるのではないかと不安な考えがよぎった。その光景や雷の音を想像する。それはそれでいいなと思い直した。春に轟く雷の音もきっと面白い。僕はこっそりそうなりはしないかと期待する。

 結局雨は降らなかったが、また楽しみが一つ増えた。春の青空を見上げながら、雨の日を心待ちにする僕がいる。