朝の始まりについて
目を覚ますと夜明けだった。AM4:28。
「 なんだよ、あと1時間半は寝れるだろうよ。」
枕元のスマホの目覚ましよりも早く起きてしまった。
空が明るい。夜の青と朝の青は違う色だ。澄み切った空気の中を、新しい光が通り抜ける。まだ誰も起きていない。鳥たちだけが目覚めているようで、高いところからチュンチュンと鳴き声が聞こえる。
あの鉄塔の上から見る朝日はどうだろうか?鳥たちはあの小さな体で、僕たち人間なんかよりよっぽど広い空、広い世界を見ながらいきているんだねえ。
少しずつ世界の歯車が回り出す。遠くに聞こえるエンジンの音。団地の中にポツポツと光が灯り始め、街灯の灯は消えてゆく。
誰もいなかった世界にみんなが少しずつログインして来る。
朝日が昇って来るのを遠くに感じながら、僕は朝の一杯を用意する。といっても、白湯だけどね。最近コーヒーのカフェインがあまり合わない、胃がなんだかヒリヒリするのだ。かっこつけてブラックを毎朝飲んでた中学生の頃が懐かしい。
手元のマグカップには、白湯。なんの栄養もないはずの一杯が僕の一日を始めさせる。不思議だ。
太陽が顔を出した。1億9460万キロ向こうから6000度の光が僕の頬まで届く。いつもと同じように今日も地球は回っているみたいだ。
地球はなぜ回るんだろうか?何が回してるんだろうか?
気の利いた答えが見つからない。
太陽を横目に、スマホが僕を起こすまで僕はふて寝をしようと思う。