じっと手を見る

毎日に気づきと発見を 日記っぽいエッセイ

匂いとドキドキについて

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 駅の階段を下り、電車を待つ僕。今度の家は駅が近いので楽でいい。近すぎて早く到着して、時間が余ってしまうくらいだ。

 

 反対側のホームに電車が通り抜ける。その風が運んだ甘く、女性らしい匂いが、僕の鼻をかすめる。綺麗な女性の髪に似合うシャンプーの心地いい香り。

 

 僕はこの匂いが好き。ドキドキする。

 

 しかし、問題はそこではない。

 

 

この匂いの発生源が自分の髪だということである!

 

 

 引っ越しを機にシャンプーを新しくした。このシャンプーというのがとってもいい匂いなのだ。

 

 僕は基本的に、ドラッグストアやドンキで安売りされているシャンプーしか使わないし、それで十分満足している。だがしかし、このシャンプーというやつは自分で買ったものではなく、ビンゴ大会の景品で当たったいいやつなのだ。

 

 なんて名前だったかは忘れた!

 

 なんども言うがこのシャンプーがもう憎らしいほどいい匂い、というか僕の好みの匂い!

 

 考えても見て欲しい。街中で好みの匂いとすれ違い、振り返りたくなる。ああ、いい匂い。でも、一瞬で儚く消え行くはずのその匂いがその後も残っている。その時、気づく!

 

 あ、この匂い僕の頭からしてる……

 

 このモヤモヤ感!気持ち悪さ!返せ!僕のときめきを!

 

 ああ、また電車がやって来た。風が吹き、いい匂い。心が勝手にドキドキする。もう!学べ!心よ!

 

 いい匂いなのでシャンプーを変えるつもりはない。たがら、しばらくは自分の匂いにドキドキする日々が続くことになるだろう…。

 

 はあ。それにしたっていい匂いだなあ…

 

 情けないほどいい匂いだよ…