半開きについて
窓から朝の光が差し込んでいる。
昨夜の余韻はどこへ行ったのかしら。
あれ、朝の光ってこんな鈍くて重たい光だったっけ?
駅から一つ道を渡った先のマクドナルドの二階、一夜を騒ぎ明かした仲間たちとともにハンバーガーを貪る。みんな半開きの目で。九割閉じている奴もいる。
なんだかスロー映像を見ているような気分、会話のテンポも動作もハンバーガーを咀嚼する顎も、どこかゆっくり動いている。みんながゆっくりに、いや、鈍くなっている。それを見ている僕の脳みそも、今は歯車が錆びたみたいにギシギシ回っているので、どっちが鈍くなってるのか本当のところは謎だ。
なんだか笑ってしまう。楽しい。
みんながおんなじゆっくりのテンポの中で生きている。みんながおんなじ「眠いね」を心の中に持ったままここにいる。みんなで同じぬるま湯に浸かってるみたい。面白い。
誰も口に出さないけどみんな同じこと考えてるこの感じ。みんなで乗り越えた達成感。
ああ、楽しい。そして眠い。
そんじゃあ帰ろうか。自然にそうなるよね。みんな帰る理由はおんなじ眠いから。言わなくてもわかる。
太陽に向かって、おやすみなさい。
また騒ごう、一晩中。あと何回こんな気持ちになれるだろうか?