じっと手を見る

毎日に気づきと発見を 日記っぽいエッセイ

夜霧とスキップについて

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 昼間降っていた雨は夕方には止んで、仕事から終えて帰る頃には霧になっていた。遠くが少し霞んで見える。ロンドンの夜のようだ、行ったことがないので真偽のほどは定かではないけれど、ジキルとハイドを読んだときはちょうどこんなイメージで読んでいた。霞がかかった街灯は綺麗な色。素敵な天気なのだけど適切な語彙が僕にない。日本語の雨に関する語彙は驚くほど多いのになあ。なんだか悔やまれる。 ため息をつくと、そいつも白かった。

 

 最近めっきり冷え込むようになったと思う。やはり11月ともなるとそれなりに寒さを感じる。先日寒さで目覚めて窓の外に目をやると真っ青な晴天の空だったので、「今年最初の放射冷却だなあ」と毛布の中で寒さを噛み締めて、というか実際に発音して、そして二度寝した。

 

 実は「放射冷却」という言葉か好きで日常でもよく使う。子供頃から好きだ。小学校低学年くらいの時に母から教わった記憶がある。僕は寒さには強い方なので、少々寒くたって快晴の青空が気に入っていた。どうやら昔から極端に青空が好きだったみたいだ。地元岡山県北部の冷え込みに比べたら大阪の冷え込みなんて大したことないので、ここ数年は放射冷却万歳だ。

 

 そういえば地元岡山県北部に位置する津山市は周りを山に囲まれた盆地であるので、冬になると霧がすごい。まさに濃霧、教科書に載せても恥ずかしくない濃霧。今日の夜霧なんて地元に比べたら、雲泥の差、月とスッポン、温水洋一とB'zの稲葉(ちなみに二人は同い年)。比べようもないほどに地元津山の霧は濃い。何しろ10m先がやっと見えるくらいの濃さだ。そんな中自転車を漕いで学校に行くと、制服に霧が凍りついたりしていた。当時は濃霧の中全力で坂道を下ったりしていたが、どうして事故に遭わなかったのか今となっては不思議だ。

 

 一体何の話だ。夜霧の話から大きく脱線している。そう、その夜霧の中を歩いて帰宅途中に面白いもの、というか楽しげなものを見た。

 

 家の近所まで来たところで角から中年の夫婦が現れた。どうやら散歩のよう。すれ違った後に足音が大きくなったので振り向くと、何やら奥さんが楽しげにスキップしていて驚いた。街中でスキップする大人が僕以外にいるなんて…。それは流石に買いかぶり過ぎかな?

 

 旦那さんも楽しそうだった。大人のスキップってなかなか見ものだ。馬鹿にしてるわけじゃないですよ、でもなかなか見られないでしょう?

 

 なんだか素敵な光景で心が少し温まった。

 

 何となく僕もスキップして帰ったら、楽しかったし体もあったまったのでおススメ。大人のスキップ入門である。